ブラックバスを対象とした釣りとなれば、知っておきたいのがバスの生態と習性です。
これを知って状況に合わせながら釣りをするのが、バス釣りの面白さでもあるので、ブラックバスが一体どんな生物なのか理解しておきましょう。
ブラックバスの分類と原産
ブラックバスと言う名前は、オオクチバス属の淡水魚の総称です。
つまり、コクチバス(スモールマウスバス)やフロリダバスなどもブラックバスの一種となります。
目:スズキ目
科:サンフィッシュ科
属:オオクチバス属
種:オオクチバス、コクチバスなど
原産は北アメリカで、主にアメリカ合衆国の川や湖に多く生息していました。
日本へは1925年に政府認可の元、赤星鉄馬氏が芦ノ湖へ放流したことが初めての移入とされています。
その後、数か所に渡り他の湖や池に放流が確認されていますが、ブラックバスの繁殖力の高さやスポーツフィッシングとしての流行により、現在では47都道府県で生息しています。
ちなみに、日本で一番多く生息しているノーザン・ラージマウスバスは、2~3年で成熟し寿命は10~15年とされています。
現在は、47都道府県すべてに生息が確認。
適水温は15~25℃とされているが、東北地方のように水温が極端に低くなる冬でも生きていく事ができます。
産卵は、水温約15℃を上回る春に行われます。
食性と捕食活動

ブラックバスは肉食の魚類ですので、自分より体型の小さい魚やエビ・ザリガニなどの甲殻類、カエル、虫など、さまざまな生き物を食します。
基本的には丸飲みできるものは捕食対象となるようで、小さな鳥やネズミも食べるとされています。
ただし、長年バサーの間で謎とされているもので、アメンボとオタマジャクシは食べない説というものがあります。
実際にはどちらも捕食が確認されていますので、絶対に食べないという訳ではないようですが、好んでは食べないのかもしれません。
※理由など諸説あり
このように、あらゆる生物を捕食して生きていくブラックバスは、特に日本では天敵となるものが少ないこともあり、わずか数十年で日本全国に生息するようになりました。
※卵の時はフナや鯉が外敵となり、稚魚の時は他の肉食魚が外敵となる
捕食活動としては、主に朝と夕方に獲物を探しに行動し、日中でも季節や天候によって積極的に捕食します。
ただし、夜間は基本的に水底でじっとしているため、あまり捕食はしません。
また、ブラックバスが餌を食べるのは、単にお腹が空いている場合だけでなく、突然目の前に生物が通過した時に咄嗟に食べてしまう、いわゆる反射食いするケースと自分の縄張りに入ってくるものを外敵とみなして攻撃・排除という意味合いで食べるケースもあります。
どちらもお腹が空いてない場合でも起こりうる行動なので、この習性を利用した釣り方も存在します。
1日の行動
ブラックバスはハンターである事から基本的にはストラクチャー(障害物)を好み、単独で獲物を狙っています。
特定のルートを毎日回遊しますが、マス科の魚類のような集団での回遊はせず、やはりストラクチャーに着いている時間の方が長いようです。
朝・夕⇒捕食のため小魚の集まる浅瀬や水面へ移動
日中⇒ストラクチャーでじっとしてるか回遊
夜間⇒水底でじっとしている
これらは飽くまでも一般的な行動パターンであり、季節や天候、バスの活性によりイレギュラーな行動をする場合もあります。
体の構造について

ブラックバスにも人間のように視覚・聴覚・嗅覚・味覚もちゃんと機能しています。
視覚⇒数十メートルまで目視することができ(水質による)色も識別できるが人間とは少し見え方が違うとされている。目が真横についてるため広範囲を見渡せる(真上下と真後ろは見えない)
聴覚⇒人間の耳とは構造が違うが、音を感知する耳と振動を感知する側線により音をしっかりと認識できる
嗅覚⇒鼻孔(鼻の穴)は4つあり、前2つの穴を通った水が後ろ2つの穴から抜ける際に匂いを感知している
味覚⇒人間は舌で味を感じますが、バスはエラ、喉、口の周り、歯間にある
このことから、バスの感覚にアプローチしたルアー選びも釣りにおいて重要になります。
特に視覚と聴覚に訴えかけるルアーを選ぶことが優先順位が高いとされ、光の反射や振動でアピールするタイプやポップ音や金属音でアピールするものは効果的です。
嗅覚や味覚に関しては、感じるまでに時間がかかるので、食わせるという意味では効果が小さい。
ただし、匂いがあるワームなどは加えた時に離しにくくなるので合わせにおいて効果的と考えられています。
バスの生態まとめ
ここで紹介した生態や習性を考慮した上で、状況に応じた釣りをしていく事が釣果アップにつながります。
ただし、これらはブラックバスの研究や調査による一般的なもの。
ブラックバスは生物であり、ロボットではないので必ずしもこれに当てはまるものではなく、イレギュラーな行動を示すバスもいるという事も理解しておきましょう。
しかしながら、自然や生物を相手にすることで予想だにしなかった状況を楽しめたりするのもバス釣りの醍醐味ではないでしょうか。